
むさし先生!副業をしている人や、2つの会社で役員をやっている社長さんは、社会保険ってどうなるのかニャ?両方の会社で社会保険に入らないといけないのか教えてほしいのニャ!

こじろー君、同時に2か所以上で勤務する場合の『二以上事業所勤務届』と社会保険の手続きのことだね。両方の事業所で加入要件を満たした場合は、報酬を合算して社会保険料を計算し、それぞれの会社で按分して負担する仕組みになっているんだよ。手続きや保険料の計算ルールについて詳しく解説するね!
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はじめに|兼業・副業と2か所勤務時の社会保険
働き方の多様化や副業・兼業の推進に伴い、同時に2つ以上の事業所に勤務する方が増えています。
社会保険(健康保険・厚生年金保険)では、同時に2か所以上の事業所に勤務してそれぞれから報酬を受ける場合、原則として両方の事業所で届出・加入手続きを行う必要があります。
それぞれの事業所ごとに社会保険の加入要件を満たしているかどうかが判断され、両方で要件を満たした場合は重畳(重複)して加入することになります。
対象となる働き方|役員兼務や短時間労働者の重複加入
2か所以上で社会保険の加入要件を満たすパターンには、主に以下のようなケースが該当します。
- 複数法人の役員:A社およびB社の両方で法人の代表者や役員を務めている場合
- 役員と正社員の兼務:A社で法人代表・役員を務めつつ、B社で正社員として勤務している場合
- 正社員の兼業・副業:A社およびB社の両方で正社員(同等の労働時間)として勤務している場合
- パート・アルバイト等の重複加入:A社およびB社の両方で短時間労働者として勤務し、各々の企業規模等に応じた加入要件を満たしている場合
経営者様が関連会社やグループ会社を経営しており、それぞれの法人から役員報酬を得ている場合も対象となります。
必要な手続き|「二以上事業所勤務届」の選択と提出
同時に2か所以上の事業所で社会保険の加入要件を満たした場合、被保険者本人が主体となって手続きを行う必要があります。
【提出すべき手続きと届出書】
主たる事業所(メインで所属する事業所)をいずれか1つ選択し、その事業所を管轄する年金事務所(または日本年金機構)へ**「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」**を提出します。
選択した主たる事業所が「健康保険組合」に加入している事業所である場合は、該当する健康保険組合へもあわせて届出が必要です。
保険証と保険料の仕組み|報酬合算と事業所ごとの按分計算
2か所で加入する場合、「健康保険証はどちらから発行されるのか」「保険料は二重で支払うのか」という疑問が生じます。
- 健康保険証の発行: 保険証は、本人が選択した主たる事業所を管轄する保険者(協会けんぽ等)から1枚だけ発行されます(複数発行はされません)。
- 保険料の算定方法: 各事業所で受け取る報酬(給与・役員報酬)をすべて合算した金額をベースに全体の標準報酬月額が決定されます。
- 保険料の負担按分: 合算された標準報酬月額に基づいて計算された全体の保険料額を、各事業所で受け取る報酬額の比率に応じて按分し、それぞれの会社が自己の負担分(労使折半後)を納付します。
70歳以上の注意点と実務上の計算例
70歳以上の方が2か所以上で勤務する場合や、具体的な保険料の計算手順についても押さえておきましょう。
70歳以上の方の届出
70歳以上であっても企業から給与・役員報酬を受けて勤務している場合は合算の届出が必要です。この場合は「厚生年金保険70歳以上被用者所属選択・二以上事業所勤務届」の提出が必要となります。
保険料額の計算例(厚生年金保険料の場合)
- A社からの報酬:月額20万円
- B社からの報酬:月額10万円
この場合、合算した月額30万円をベースとして全体の標準報酬月額・保険料額を算出します。算出された保険料総額を、報酬比率に応じてA社が3分の2、B社が3分の1の割合でそれぞれ按分して折半納付します。
(※健康保険料についても、都道府県ごとの保険料率の違いはありますが、基本的な算出・按分方法は同じです)。
トラブル回避のポイント
2か所以上で勤務する際の典型的なトラブルは、「一方の会社で社会保険に入っているから大丈夫と思い込み、もう一方の会社での加入手続きや『二以上事業所勤務届』の提出を怠り、後から年金事務所の調査で過去に遡って差額保険料を一括徴収されるケース」です。
特に、複数の法人(不動産管理法人、施工会社、医療法人等)で役員報酬を得ている経営者様や、非常勤で複数の病院・クリニックを掛け持ちする勤務医の先生方において手続き漏れが発生しがちです。
それぞれの会社での支給額と加入要件を正しく把握し、速やかに「二以上事業所勤務届」を提出して各社の給料計算システムへ按分保険料を反映させることが最大のトラブル回避へとつながります。
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- 不動産企業(建設業含む)や医療機関(病院・クリニック)における、複数法人役員兼務者や兼業・非常勤スタッフの「二以上事業所勤務届」手続き指導および社会保険料の適正な按分計算アドバイス
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