【令和8年改正】外国人への役務提供は免税?「直接便益」の判断と不動産仲介手数料の大きな変更

こじろー君

むさし先生!最近、海外にいる外国人投資家の人から「日本の不動産を買いたいからサポートしてほしい」って頼まれたんだニャ!海外の人を相手にするサービスだから消費税はかからない(免税になる)って聞いたんだけど、本当かニャ?

むさし先生

こじろー君、確かに海外の「非居住者」に対するサービスは原則として消費税が免除される「輸出免税」になるんだ。でもね、どんなサービスでも免税になるわけじゃないから気を付けて!令和8年(2026年)の税制改正で、不動産の仲介手数料に関する大きなお知らせもあるから、それらを分かりやすく解説するね!

コラムメニュー

はじめに|非居住者向けサービスと消費税の基本

日本国内の事業者が、海外に住んでいる個人や海外に本店がある法人(税法上で「非居住者」と呼びます)に対してサービスを提供した場合、その消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。

結論から言うと、原則としては「輸出免税」となり消費税はかかりません。しかし、「そのサービスを実際にどこで消費しているか(直接便益を受けるのはどこか)」によって、免税になるかどうかが細かく分かれています。さらに、令和8年の税制改正によって実務上の大きな変更が加えられるため、正しい知識を持っておくことが重要です。


原則免税!「輸出類似取引」に該当するサービスとは

非居住者に対する役務の提供(サービス)は、原則として消費税が免除されます(輸出免税)。これは、「国外に居ながらにしてサービスを受けている」「国内で効果が完結していない」取引であれば、モノを海外に輸出するのと同じように「輸出類似取引」と考えられるためです(消費地課税主義の考え方)。

具体的には、海外の企業などから直接受注した以下のような取引が該当します。

市場調査、コンサルティングなど

・日本国内の広告作成や掲載

・日本国内での展示会の企画・運営代行

要注意!免税にならない「国内で直接便益を受けるサービス」

一方で、相手が非居住者(外国人や海外法人)であっても、「国内で直接便益を受ける」タイプのサービスは輸出免税の対象から除かれ、通常通り消費税(10%)がかかります

国税庁の規定では、以下の取引が「国内で直接便益を受けるもの(国内で効果が完結するもの)」として課税対象に指定されています。

分類具体的なサービスの例
基本の免税除外取引・国内に所在する資産の運送や保管
・国内における飲食または宿泊
これらに準ずるもの国内不動産の管理や修理、建築請負
・電車、バス、タクシーによる旅客の運送
・理容、美容
・医療、療養
・劇場や映画館などにおける観劇・興行
・国内間の電話や郵便
・国内での語学教育やビジネス研修

旅行で来日した外国人が日本でホテルに泊まったり、日本の病院で治療を受けたり、国内の不動産を修理・管理してもらったりするケースは、すべて「日本国内で直接サービスを消費している」ことになるため、免税にはなりません。

国内に支店・営業所がある場合は原則課税

また、非居住者本人や海外の本店に対するサービスであっても、その非居住者が日本国内に支店や出張所などを有している場合、原則として消費税は免除されません。この場合、実務上は「その国内支店等を経由して行われた取引」とみなされるため、直接的な海外取引(免税取引)としては認められないのです。

【令和8年税制改正】不動産仲介手数料が免税除外に!(2026年10月1日〜)

ここで、最新の改正情報があります。

これまで、海外の外国人投資家(非居住者)が日本国内の不動産を購入・賃貸する際、日本の仲介業者に支払う「不動産仲介手数料」は、上記の免税除外リスト(直接便益)に明記されていなかったため、実務上「輸出免税(消費税なし)」として取り扱われてきました。

しかし、令和8年(2026年)の税制改正により、国内の居住者が支払う場合との公平性を確保する観点から、この不動産仲介手数料が消費税の「輸出免税対象から除外」されることになりました。つまり、今後は消費税が課税されます。

  • 変更内容:非居住者に対して行う国内不動産の売買・賃貸の仲介手数料の課税化
  • 適用時期令和8年(2026年)10月1日以後に行われる取引から適用

インバウンドによる不動産投資ビジネスを行っている方や、海外投資家を相手にする仲介業者様は、今後の契約書や見積書の作成、価格設定の段階から消費税(10%)の有無を正しく織り込んでおく必要があります。

トラブル回避のポイント

海外取引における消費税の判定は、「誰が」「どこで」実際にそのサービスを受けているのか、効果がどこで完結するのかを、契約書や実態に基づいて慎重に見極める必要があります。

特に、令和8年10月からスタートする「不動産仲介手数料の課税化」は、これまでの実務慣行を大きく変える法改正です。思い込みで「海外の相手だから免税」と処理していると、後から税務調査で否認され、多額の消費税を追徴課税(ペナルティ)されるリスクがあります。

国際税務の取扱いに迷ったときは、自己判断せず、法改正の動向に詳しい専門家へ事前に相談することが確実なトラブル回避へとつながります。

東京武蔵野会計のサポート内容

東京武蔵野会計は、法改正の動向に素早く対応し、お客様の「未来志向の経営」を支援する会計事務所です。今回の令和8年税制改正へのスムーズな対応を含め、お客様の適正な税務処理を手厚くサポートいたします。

  • 非居住者取引・国際取引に関する消費税の判定アドバイス
  • 令和8年10月改正に伴う不動産仲介業務・契約書の税務チェック
  • クラウド会計を駆使した、海外取引の効率的な記帳・経理体制の構築
  • 安心の「書面添付制度」標準採用による、税務調査リスクの徹底低減
  • 最新の税制改正を織り込んだ、安心の伴走型税務顧問サービス

お問い合わせ・無料相談のご案内

海外取引の消費税や、令和8年の税制改正への対応についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

  • 電話:042-405-3913
  • お問い合わせ、無料相談はこちら

東京武蔵野会計は、お客様の適正な税務とスムーズな事業運営を力強くサポートします。