
むさし先生!実は、将来のために海外へ語学留学に行きたいと思っているんだニャ!でも、日本を離れている間って、今まで払っていた年金はどうなっちゃうのかニャ?会社都合で行く場合と、自分で勝手に行く場合で違いはあるのかニャ?

こじろー君、海外留学への挑戦、素晴らしいね!留学中の年金については、「会社命令」か「私的留学」かによって、手続きや扱いが大きく異なるんだよ。今回は、留学時の年金制度の違いと、知っておくべき注意点について分かりやすく解説するね!
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はじめに|海外留学・赴任時の年金制度の全体像
国際交流が活発になる中で、企業から派遣されて海外で研修を受けたり、個人で海外留学に出かけたりする方が増えています。
日本国内に住所がある方は原則として日本の年金制度に加入していますが、海外へ渡航するとなると、「今の年金は継続できるのか?」「現地の年金にも入らなければいけないのか?」という疑問が生まれます。この取扱いは、渡航の目的が「仕事(会社の命令)」か「個人(自己都合)」かによって大きく2つに分かれます。
ケース1|会社の命令で海外留学・語学研修に行く場合
会社勤めの方が、会社の命令(業務命令)で一定期間、海外へ語学留学や研修に行く場合です。
この場合、一般的には渡航中も会社から給与が出され、旅費や滞在費も会社が負担してくれます。つまり、「雇用関係が継続したままの海外勤務」と同じ扱いになるため、日本の厚生年金保険はそのまま継続となります。
知っておきたい「社会保障協定」の仕組み
海外で働く(学ぶ)場合、基本的にはその国の社会保障制度にも加入しなければならない国が多く存在します。そのため、日本の会社に籍を置いたまま海外赴任すると、日本と海外の年金制度に二重に加入し、両方で保険料がかかってしまう(二重負担)という問題が発生します。
これを避けるために、日本は多くの国と「社会保障協定」を結んでいます。
社会保障協定の2つの大きな目的
1.二重加入の防止:どちらか一方の国の年金制度に加入していれば、もう一方の国の保険料は免除されるように調整する。
2.年金加入期間の通算:将来年金を受け取るために必要な「加入期間」を両国で合算し、年金をもらい損ねるリスクを防ぐ。
※2025年12月にはオーストリアとも発効され、協定発効国は24カ国に広がっています。(ただし、英国・韓国・中国・イタリアなどの一部の国との協定は「二重負担防止」のみで、期間通算はできないなど、国によって内容が異なるため確認が必要です)
ケース2|自己都合(プライベート)で海外留学する場合
会社を一度退職したり、自己都合の休職(給与が出ない状態)にしたりして、プライベートで海外留学に行く場合です。
このケースでは、会社への労務の提供がなく給与も支払われないため、たとえ在籍のまま(休職扱い)であっても使用関係から外れることになり、基本的には日本の厚生年金保険の資格を喪失することになります。
「海外転出届」を出す場合の選択肢と注意点
市役所等に「海外転出届」を提出して渡航する場合、日本の国民年金の強制加入対象からは外れます。そのため、以下の2つの選択肢から選ぶことになります。
- 国民年金に「任意加入」して保険料を自分で払い続ける
- 年金には加入せず、保険料を支払わない
ここで注意したいのは、任意加入をしない場合、その期間は年金の「未納期間」として扱われてしまう点です。未納期間(将来の年金額に反映されない期間)が増えると、将来もらえる老齢年金の額が減ってしまうだけでなく、万が一海外で病気やケガをして障害が残ったときに、「障害年金」などが受け取れなくなるリスクがあります。任意加入をしておけば、海外在住時であっても万が一の際に障害年金や遺族年金が支給されるため、安心を確保できます。
任意加入の手続き方法
自己都合の留学で国民年金に任意加入する場合は、以下の手続きを行います。
- 提出書類:「国民年金被保険者関係届書」
- 手続き窓口:お近くの年金事務所、または「マイナポータル」からのオンライン申請
トラブル回避のポイント
海外への渡航は、事前の公的手続きを忘れると、帰国後に思わぬ不利益を被ることがあります。
特にプライベート留学の場合、「海外にいるから日本の年金は関係ない」と思い込んでいると、将来の受給額が大きく減ってしまったり、いざという時の保障が受けられなくなったりします。また、企業側としても、従業員を海外に派遣する際は、現地の社会保険のルールや社会保障協定の適用手続き(適用証明書の発行など)を正しく行わないと、会社・従業員の双方に余計なコストが発生してしまいます。渡航前には、必ず人事労務や国際税務・労務に詳しい専門家に相談し、万全の手続きを踏むことがトラブル回避の第一歩です。
東京武蔵野会計のサポート内容
東京武蔵野会計は、クラウド環境やデジタルツールを活用した効率的なバックオフィス構築と、企業の「未来志向の経営」を多角的に支援する会計事務所です。従業員の海外派遣に伴う労務・税務リスク管理や、個人のライフプランに関わる制度活用まで幅広くサポートいたします。
- 従業員の海外派遣・赴任に伴う税務・労務リスクの判定アドバイス
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