社会保険料が通知書と1円ずれるのはなぜ?正しい端数処理の仕組みとスッキリ解決法

こじろー君

むさし先生!給与計算で引いた社会保険料の合計と、年金事務所から届いた通知書の金額が「1円」ずれていたのニャ!どこかで計算を間違えちゃったのかニャ?これじゃあ決算の帳簿がぴったり合わなくて困っちゃうニャ!

むさし先生

こじろー君、それは計算ミスではなく「端数処理」の仕組みによるものだから安心してね。会社の合計額は1円未満を切り捨てるけれど、個人の給与からは「五捨五超入」という特殊な方法で引くからなんだ。今回はこの1円のズレの正体と決算の処理を解説するね!

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はじめに|社会保険料の計算で「1円のズレ」が起きる理由

社会保険の料率は毎年3月分から変更され、4月の給与計算から新しい料率が適用されるのが一般的です。特に3月決算の会社などで、発生主義に基づいて会社負担分の社会保険料を未払金として計上する際、4月に年金事務所から届く「保険料納入告知額通知書」と、自社の給与計算ソフトなどで計算した合計額が「1円だけずれている」という現象がたまに発生します

これは計算ミスではなく、法律や日本年金機構が定めている「端数処理」のルールの違いによるものです

日本年金機構が定める社会保険料の3つの計算ルール

社会保険料は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に基づき、1円未満の端数処理が行われますが、その計算方法は以下の3つのステップに分かれています。

事業所全体の保険料(合計額)の計算方法

まず、年金事務所が会社全体に対して請求する総額の計算です。これは、被保険者(従業員)ごとの標準報酬月額等に、それぞれの制度ごとの保険料率を乗じた額をすべて合計します。その「合計額」に対して1円未満の端数がある場合に、初めてその端数を切り捨てます。従業員ごとに細かく端数処理を行ってから足すわけではありません。

被保険者の給与から控除する金額(従業員負担分)の計算方法

次に、毎月の給与から差し引く従業員負担分の計算です。社会保険料は会社と従業員の折半となるため、1/2の保険料率を乗じて計算します。このとき、個人の控除額に1円未満の端数が出た場合は、「50銭以下の場合は切り捨て」、「50銭を超える(51銭以上)の場合は切り上げる」という特殊な処理を行います。これは「五捨五超入(ごしゃごちょうにゅう)」と呼ばれるルールです。

事業主(会社)負担分の計算方法

最後に、会社が負担する金額の計算です。事業主負担分は、年金事務所からの「納入告知額」から「すべての従業員の給与計算で算出した保険料額の合計額」を差し引いた金額として計算されます。本来、事業主が負担すべき金額は従業員の標準報酬月額に保険料率を乗じた額の半額(折半)ですが、個人の給与から控除する際に端数処理を行うため、事業主負担分と従業員負担分の金額は必ずしも一致するとは限りません。これが、1円のズレが生まれる原因です。

Excelで計算する場合の「五捨五超入」の関数

普段の給与計算ソフトでは、端数処理の設定を正しく行っていれば自動で計算されるため、このズレを意識することはあまりありません。しかし、決算期などにExcelを使って手動で社会保険料を試算・検証しようとすると、通常の四捨五入では正しく計算できないため、少し見慣れない関数を使うことになります

Excelで「五捨五超入(50銭以下切捨、51銭以上切上)」を表現する場合、一般的には

=CEILING(A1-0.5, 1)

という関数式を用います。実務で社会保険料のシミュレーションシートなどを自作する際には、検索して調べてみると役に立つ知識です。

決算実務でのスッキリ解決法|4月の通知書を待てば問題なし

Excelの複雑な関数を知らなくても、実際の決算実務において大きな問題が起こることはありません。例えば3月決算の会社の場合、実際に決算書を確定させて税務申告を行う(決算を締める)までには法律上2ヶ月の猶予(5月末まで)があります。そのため、申告を行う前段階である4月中旬から下旬には、年金事務所から正しい「4月の保険料納入告知額通知書」が手元に届きます。

給与計算の数字との差額があったとしても、通知書の金額を正として、その差額をすべて会社負担(法定福利費)として処理すれば、正しい金額で計上することができます。

トラブル回避のポイント

社会保険料の1円のズレは、計算ミスではなく制度上の仕様であるため神経質になる必要はありません。しかし、毎月の給与計算において従業員負担分の端数処理設定が間違っていると、従業員から保険料を多く取りすぎてしまったり、逆に不足して会社が余計に負担したりといった労務トラブルにつながる恐れがあります

特に料率改定が行われる時期は、給与ソフトの設定変更が正しく反映されているかを念入りに確認することが重要です。自社の社会保険料の未払計上や給与控除の処理に不安がある場合は、決算や確定申告の前に専門家へ確認してもらうことが確実なトラブル回避へとつながります

東京武蔵野会計のサポート内容

東京武蔵野会計は、クラウド会計や給与計算ソフトを活用した「バックオフィスのデジタル化・効率化」に強みを持つ会計事務所です。決算時の煩雑な未払金計上や、地味で厄介な社会保険の端数処理まで、未来志向の確実な財務管理をサポートいたします。

  • 従業員ごとの社会保険料データと連動した、クラウド会計・給与ソフトの適正な初期設定・端数処理指導
  • 3月決算時における、通知書に基づいた正確な法定福利費(未払金)の試算・計上アドバイス
  • 給与計算のズレをなくし、経営数値をリアルタイムに把握するための月次巡回監査
  • 安心の「書面添付制度」標準採用による、人件費・法定福利費まわりの税務調査リスク徹底低減
  • 会社の成長に合わせた、スマートでミスのない労務・財務基盤の構築支援

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