
むさし先生!働くシニアを応援するために年金のカット基準が緩くなったって聞いたニャ!でも、一方で給与と年金の両方をもらう人に新しい税金の制限ができるって本当かニャ?結局お得になるのか損になるのか分からないのニャ!

こじろー君、在職老齢年金の基準が65万円に上がって働きやすくなったのは事実だよ。ただ、令和9年からは給与と年金の控除の合計に280万円の上限ができるんだ。実はこれ、大企業や公務員のシニア層を狙った改正なんだよ。今回はその仕組みを解説するね!
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はじめに|シニアの就労をめぐる年金と税制の最新動向
少子高齢化にともなう人手不足が深刻化する中、国は高齢者の就労意欲を促進するための様々な制度見直しを行っています。
その一環として、働きながら年金を受け取るシニア層に対して、年金支給をカットする基準が大きく緩和されました。しかしその一方で、今年の税制改正では、給与と年金の「両方の収入」がある人に対する新しい増税ルール(控除額の上限設定)が盛り込まれました。一見するとアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようにも思えるこの改正について、実務上の計算例と制度の背景を詳しく見ていきましょう。
働くシニアに朗報!在職老齢年金の減額基準が「65万円」へ
高齢者の就労を妨げている一因とされてきた「在職老齢年金制度(働きながら厚生年金をもらうと年金が減額される仕組み)」ですが、高齢者の就労促進を目的に、2026年(令和8年)4月から年金減額基準額が従来の51万円から「65万円」へと大幅に引き上げられました。これにより、毎月の賃金(給与)と厚生年金の月額の合計が65万円までであれば、年金は一切カットされずに全額受け取れるようになりました。
もし合計が65万円を超えてしまった場合でも、以下の計算式によってカットされる額が計算されます。
- 年金カット額の計算式:(毎月の賃金 + 年金月額 - 65万円)÷ 2
【具体的な計算例:給与月収80万円、年金月額20万円の場合】
改正後の計算:(80万円 + 20万円 - 65万円)÷ 2 = 17.5万円
この場合、20万円の年金のうち17.5万円がカットされ、2.5万円が支給されます 。 改正前(旧基準51万円)であれば「全額カット」となっていたケースですが、今回の引き上げにより年金の一部を受け取れるようになりました。
なお、この制度によってカットされた年金額は、後からまとめてもらえるような「繰延べ(後払い)」の仕組みではなく、永久に消滅してしまいますので注意が必要です。
【令和9年施行】給与と年金のダブル控除に「280万円の上限」が新設
在職老齢年金の基準が緩くなった一方で、今年の税制改正により、働きながら年金をもらう人に対する税金面での新たな規制が新設されました。
これまで、給与収入に対する「給与所得控除額」と、年金収入に対する「公的年金等控除額」は、それぞれ別々に計算して適用することができました。しかし、両方の収入があるシニア層に対して、給与控除と年金控除の合計額に「280万円」の上限が設けられることになりました。この上限を超えてしまった場合の控除の減額は、公的年金等控除額のほうから差し引かれることになります。この税制改正は、2027年(令和9年)から施行される予定です。
なぜ今?280万円制限のターゲットは大企業・公務員OB層
ここで一つの疑問が生まれます。「控除の合計が280万円前後に達する層」というのは、年金をもらいながら給与もしっかり得ているシニア層です。しかしそのような高額な給与を得ている人は、前述の在職老齢年金制度によって、2階建て部分である「厚生年金」がすでに相当額カットされているはずです。年金自体がカットされているのであれば、そもそも税金計算で上限に引っかかるほどの年金控除額(年金収入)は残っていないことになります。
では、今回の改正は一体誰をターゲットにしているのでしょうか。
結論から言うと、この「280万円控除制限」の真の狙いは、在職老齢年金による支給カットの対象にならない「3階建て部分(企業年金)」や「4階建て部分(私的年金)」を潤沢に受け取っている、大企業OBや公務員系統の受給者であると考えられます。これまでの在職老齢年金による一律の支給カットは、2階建ての厚生年金までしか用意されていないことが多い中小企業の経営者や元従業員の受給者に大きな打撃を与えていました。一方で、3階建て・4階建ての年金が充実している大企業や公務員OB層は、その影響が相対的にマイルドに収まっていました。
今回の税制改正は、そうした「在職老齢年金のカットをすり抜ける2階建て以外の潤沢な年金(企業年金・私的年金)」に対しても、税制面からしっかりと標度を向け、給与控除とのアンバランスを緩和しようとするものなのです。
トラブル回避のポイント
今回のダブル控除の「280万円上限設定」のように、シニア層の就労に関わる税金や年金のルールは非常に複雑であり、個々の「給与の額」や「受け取っている年金の種類(厚生年金、企業年金、私的年金など)」によって、受ける影響が180度異なります。
「年金の支給基準が緩くなったからもっと働こう」と自己判断で給与を増やした結果、思わぬところで税制改正の上限に引っかかり、手取り額がシミュレーション通りにならないというトラブルが起こり得ます。特に中小企業の経営者様や役員シニア層においては、役員報酬の金額設定一つで年金の受給額も税負担も大きく変わるため、事前に最新の改正に対応した正確な税務・財務シミュレーションを専門家に依頼しておくことが、賢く手取りを最大化するための確実なアプローチです。
東京武蔵野会計のサポート内容
東京武蔵野会計は、経営者様やシニア層の皆様の「未来を見据えた財務・タックスプランニング」に高い専門性を持つ会計事務所です。在職老齢年金の緩和や令和9年施行の最新改正をいち早く織り込み、手取りを最適化する伴走型の経営支援を提供いたします。
- 最新の改正に対応した、シニア役員・経営者向けの給与(役員報酬)と年金の最適化シミュレーション
- 企業年金や私的年金を考慮した、令和9年施行「280万円上限設定」にともなう税負担の事前試算
- クラウド会計を活用したタイムリーな業績把握と、個人の所得税・住民税をトータルで見据えた財務アドバイス
- 安心の「書面添付制度」標準採用による、役員報酬・人件費まわりの税務調査リスク徹底低減
- 目先の節税にとどまらない、お客様の資産と未来を守るための安心の税務顧問サービス
お問い合わせ・無料相談のご案内
働きながら年金を受け取る際の役員報酬の決め方に悩まれている経営者様や、今回の青色申告・公的年金控除の見直しによる税負担への影響を知りたいシニア層の方は、お気軽にご相談ください。初回無料相談を実施しています。
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