
むさし先生!マンションやビルの『公開空地』と『歩道状空地』って、税務署の解説で考え方が矛盾しているって聞いたのニャ!最高裁判決を踏まえて、本当はどう評価するのが正しいのか教えてほしいのニャ!

こじろー君、国税庁の質疑応答事例における『公開空地と歩道状空地の評価』のことだね!国税庁の解説には矛盾が残っているけれど、最高裁が示した本質的な判断基準(実質的基準)を理解することが土地評価ではとても重要なんだよ。ポイントを分かりやすく解説するね!
コラムメニュー
はじめに|公開空地と歩道状空地を巡る国税庁解説の矛盾
大規模ビルや大型マンションの敷地評価において、「公開空地」と「歩道状空地」の取り扱いは相続税減税の大きなポイントとなります。
歩道状空地については、平成29年の最高裁逆転判決を受けて私道評価(財産評価基本通達24に基づく評価減・評価ゼロ)が認められるようになりました。
しかし、国税庁がホームページで公表している質疑応答事例を細かく読み解くと、「公開空地」と「歩道状空地」の解釈において明確な論理的矛盾が存在しています。実務においては、この矛盾の背景と最高裁判決が示した本質的な基準を正しく理解しておく必要があります。
敷地評価とする公開空地・私道評価とする歩道状空地
現在、国税庁HPの質疑応答事例には、以下の相反する2つの解説が並行して掲載されています。
- 事例①「公開空地のある宅地の評価」: 総合設計制度(建築基準法第59条の2)により、容積率や高さ制限の緩和を受ける見返りとして設けられた公開空地は、「建物を建てるために必要な敷地を構成するもの」として通常の宅地(建物の敷地)として評価する。
- 事例②「歩道状空地の用に供されている宅地の評価」: 歩道状空地として利用されている宅地は私道(評価通達24)として評価し、不特定多数の者の通行の用に供されている場合は評価額ゼロ(非課税)とする。
歩道状空地は本来、公開空地の一部であり、容積率や高さ制限の緩和を受けるための有効係数への貢献度も非常に高い位置にあります。
最高裁逆転判決の対象となった土地も、実際には容積率や建ぺい率の計算要素に含まれていました。本来であれば、最高裁判決によって事例①(公開空地一般の解説)は修正または廃棄されるべきでしたが、国税庁は事例①を残したまま、歩道状空地のみを「個別限定的な特殊事例」として事例②を新規追加したため、解説上の矛盾が生じています。
最高裁判決の本質|行政指導や容積率緩和に縛られない解釈
国税庁の質疑応答事例②では、「都市計画法上の行政指導に基づいて整備されたこと」などが要件のように記載されています。
しかし、最高裁判所は判決において、「行政指導の有無」や「建ぺい率・容積率の計算要素になっているか否か」といった形式的な要件を条件として示してはいません。
【最高裁判決の真意】
最高裁は、形式的な法令上の指定や行政指導にとらわれず、土地の「実質的な利用制限」と「客観的価値の低下」に着目して私道評価を認めました。国税庁の限定的な質疑応答事例に捉われすぎず、最高裁判決の示す一般原則に照らして解釈することが重要です。
3つの判断軸|客観的交換価値・転用の難易・第三者利用状況
土地の相続税評価において、歩道状空地や通行の用に供されている空地が「私道(評価ゼロ等)」として認められるか否かは、最高裁が示した以下の実質的な3つの基準によって判断されるべきとされています。
- 客観的交換価値:他人に売却しようとした場合、独立した宅地としての取引価値が著しく損なわれているか。
- 道路以外への転用の難易:建物が存在する限り、現実的に道路以外の用途(駐車場や建物敷地など)へ転用することが容易でないか。
- 第三者による利用状況:日常的に不特定多数の第三者が自由に通路・歩道として通行しているか。
行政指導の有無などの形式論にとらわれず、この3つの実質的基準を満たしていることを客観的な証拠とともに主張できれば、適正な評価減を適用することが可能です。
トラブル回避のポイント
公開空地・歩道状空地の土地評価における典型的なトラブルは、「国税庁の質疑応答事例①(公開空地は敷地評価)だけを鵜呑みにし、評価減ができる歩道状空地も含めて敷地全体を通常の宅地として高額評価・申告してしまうこと」です。
また、逆に「実質的基準(転用の難易や第三者の通行実態)を満たしていない単なる敷地内の庭園や通路を勝手に私道評価してしまい、税務調査で否認される」ケースもあります。
公図・測量図の精査、現地での通行実態の撮影、最高裁判決の判例理論に基づいた評価鑑定意見書の作成を行うことが、最大のトラブル回避へとつながります。
東京武蔵野会計のサポート内容
東京武蔵野会計は、不動産(建設業含む)・医療・相続の分野に特化した税務・経営コンサルティングを提供する会計事務所です。専門性の高い税務知識とクラウド会計を融合させ、お客様の健全な経営と資産承継を力強くサポートいたします。
- 不動産企業(ディベロッパー・建設業含む)や個人の不動産オーナー様における、所有物件・総合設計制度適用地の「公開空地・歩道状空地」の精密評価および相続税・贈与税シミュレーション
- 不動産管理会社や医療法人の経営者様・役員様における、最高裁実質基準に基づく土地評価の見直し(過大申告箇所の更正の請求手続き)および資産承継アドバイス
- 安心の「書面添付制度」標準採用による、不動産・医療・相続に係る高度な土地評価と高い税務信頼性の確保
お問い合わせ・無料相談のご案内
不動産企業(建設業含む)・個人の不動産オーナーの税務顧問、医療機関の税務顧問、節税対策、相続・事業承継に関するご相談はお気軽にご連絡ください。初回無料相談を実施しています。
- 電話:042-405-3913
- お問い合わせ、無料相談はこちら
東京武蔵野会計は、医療・不動産・相続に関するお客様のお悩みと安心の資産承継を力強くサポートします。
