
むさし先生、ちょっと相談に乗ってほしいニャ。相続対策で養子縁組を考えているんだけど、なんだか難しそうで…。本当にウチの場合でも節税になるのかニャ?それに、後でトラブルになったりしないか心配だニャ…。

(猫の養子縁組…?)こじろー君、たしかに相続対策として有効な手段だけど、養子縁組には注意点もあるんだ。でも大丈夫!僕が養子縁組の仕組みからメリット、デメリット、注意点まで、わかりやすく解説するから安心してね!
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はじめに|養子縁組が相続に与える影響
相続税対策として、養子縁組という方法を検討される方が増えています。養子縁組を行うことで、相続税の基礎控除額や生命保険の非課税枠を増やすことができ、相続税の節税につながる場合があります 。
しかし、養子縁組にはメリットだけでなく、デメリットや注意点も存在します 。安易な養子縁組は、期待したほどの節税効果が得られないばかりか、親族間のトラブルの原因となることもあります 。
本コラムでは、養子縁組の基本的な仕組みから、相続におけるメリット・デメリット、そして注意すべきポイントまでを詳しく解説します。養子縁組を検討されている方はもちろん、相続について知識を深めたい方も、ぜひ参考にしてください。
基本ルール・基本概念
養子縁組とは、血縁関係がない者同士が、法律上の親子関係を結ぶことをいいます 。養子縁組によって、養親(親となる者)と養子(子となる者)の間に、法律上の親子関係が発生します 。
養子縁組には、大きく分けて「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があります 。
- 普通養子縁組:養親と養子の合意によって成立する養子縁組で、一般的にイメージされる養子縁組はこちらです 。
- 特別養子縁組:児童福祉を目的とした養子縁組で、家庭で養育を受けられない子供に、温かい家庭を提供するための制度です 。
本コラムでは、主に相続税対策として検討される「普通養子縁組」について解説します。
養子縁組を行うメリット
養子縁組を行うことで、相続税の計算において、以下の3つのメリットがあります 。
相続税の基礎控除額が増える
相続税には、遺産の総額から一定額を控除できる「基礎控除」という制度があります 。基礎控除額は、以下の計算式で求められます 。
相続税の基礎控除 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
養子縁組により養子が増えると、法定相続人の数が増えるため、基礎控除額が600万円増加します 。
生命保険の非課税枠が増える
被相続人がかけていた生命保険金を相続人が受け取る場合、一定額まで相続税が非課税となります 。非課税限度額は、以下の計算式で求められます 。
生命保険の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
養子縁組により養子が増えると、法定相続人の数が増えるため、生命保険の非課税枠が500万円増加します 。
死亡退職金の非課税枠が増える
被相続人の死亡退職金を相続人が受け取る場合も、生命保険と同様に非課税枠が設けられています 。非課税限度額は、以下の計算式で求められます 。
死亡退職金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
養子縁組により養子が増えると、死亡退職金の非課税枠も500万円増加します 。
養子縁組を行うデメリット
養子縁組には、税制上のメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します 。
孫を養子にした場合、相続税が2割加算される
相続税法では、被相続人の配偶者および1親等の血族(実子や養子)以外の人が相続する場合、相続税額が2割加算されるという規定があります 。孫は1親等の血族に含まれないため、相続した場合には相続税が2割加算されます 。
では、2割加算の対象となる孫を養子縁組して養子(1親等の血族)とした場合はどうでしょう。2割加算の規定を免れることはできるでしょうか。
実は、孫と養子縁組をした家庭とそうでない家庭とで、税負担の不公平が生じるため、孫養子が相続するときの相続税額は、1.2倍した相続税額とする2割加算の規定が設けられています。この2割加算により、孫養子は他の相続人と同額の財産を相続したとしても、税額が高くなります。
法定相続人に含められる人数に制限がある
養子縁組は、民法上は何人でも認められています 。しかし、相続税の計算上、法定相続人に含めることができる養子の数には制限があります 。
- 実子がいる場合:1人まで
- 実子がいない場合:2人まで
そのため、養子縁組によって無制限に相続税を節税することはできません 。
養子縁組を利用した相続で気をつけるべき注意点
養子縁組は、相続税対策として有効な手段となり得ますが、以下の点に注意する必要があります 。
節税目的の養子縁組は否認される可能性がある
相続税法では、相続税を不当に減少させる目的で行われた養子縁組は、税務署長の判断によって否認される可能性があると定められています 。そのため、節税目的が明白な不自然な養子縁組は、認められない場合があります 。
養子縁組の解消は難しい
養子縁組をすると、養子は実子と同等の法的地位を得ます 。そのため、養子縁組の解消は、当事者間の合意だけでは難しく、家庭裁判所の調停や訴訟が必要になる場合があります 。
実子がいる場合、トラブルになる可能性がある
養子縁組によって法定相続人が増えると、実子の相続分が減少するため、実子との間でトラブルが生じる可能性があります 。特に、実子が養子縁組の事実を知らないまま相続が発生すると、トラブルに発展する可能性が高くなります 。
トラブル回避のポイント
養子縁組は、相続税対策として有効な場合がありますが、安易に行うと後々トラブルの原因となることがあります 。養子縁組を検討する際は、必ず相続に強い税理士に相談し、慎重に進めるようにしましょう。税理士は、個々の状況に合わせて最適なアドバイスを行い、トラブルを回避するためのサポートをします。
東京武蔵野会計のサポート内容
東京武蔵野会計は、相続税に関する豊富な知識と経験を持つ会計事務所です。養子縁組を含めた相続全般について、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、最適なプランをご提案します。
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