【役員退職金】高額すぎると税務否認?平均功績倍率法と注意点

こじろー君

むさし先生!長年会社を支えてくれた社長さんに感謝を込めて高額な退職金を支払いたいニャ!でも『多すぎると会社の経費(損金)として認められない』って聞いたのニャ。どこからがアウトになるのか、正しい計算方法を教えてほしいニャ!

むさし先生

こじろー君、経営者の長年の貢献に応えるのは当然だけど、同業他社と比べて『不相当に高額』と判定された部分は損金から除外されてしまうんだ。裁判でよく使われる『平均功績倍率法』の計算ルールや、死亡退職金の注意点まで分かりやすく解説するね!

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はじめに|役員退職金と不相当に高額な場合の危険性

役員退職金は、役員が在任中に挙げた功績や貢献度に応じ、会社の財務状態や収益力を考慮して支払われます。

しかし、法人税法上、支給した退職金が「不相当に高額である」と税務署に判断された場合、その適正額を超える部分は会社の損金(経費)として認められません。損金として扱われない場合、その分だけ法人税の負担が増えてしまうため、あらかじめ適正な基準を知っておくことが非常に重要です。

適正額の算定|平均功績倍率法と3倍の目安

法人税法では、役員の業務従事期間、退職の事情、同種の事業を行う類似法人の支給状況など総合的な要素から適正額を算定します。

裁判等で一般的に示される算定方法が「平均功績倍率法」と呼ばれる計算式です。

【平均功績倍率法による適正額の計算式】

適正額 = 役員の最終報酬月額 × 勤続年数 × 類似法人の平均功績倍率

国税庁は同業類似法人の個別データを保持していますが、納税者側がその個別データを直接閲覧することはできません。そのため、国税庁が公開する「民間給与実態統計調査」や税務専門誌に掲載されているデータから同業種の報酬水準を把握し、自社の適正額を推計することになります。過去の裁判例では、功労加算金を含めて功績倍率「およそ3倍」がひとつの目安水準として示されています。

裁判例に学ぶ|業績評価の給料でも否認される理由

役員報酬や退職金について、「不相当に高額」と判定されるのは「実体のない役員への支給や、意図的な税金逃れ(租税回避)に限られるのではないか」と主張した裁判例がありました。

しかし裁判所は、法人税法の趣旨はあくまで「課税の公平性の確保」にあるとし、納税者側の主張を認めませんでした。つまり、たとえ会社が役員の業績や成果を正当に評価して決定した報酬・退職金であったとしても、同業他社の水準と比較して「不相当に高額」な部分があれば、容赦なく損金不認容(否認)とされることが明確に示されています。

死亡退職金の注意点|生命保険金=退職金の落とし穴

役員の死亡に備えて役員を被保険者とする生命保険契約を締結し、万が一の際に受け取った死亡保険金を原資として遺族へ死亡退職金を支給するケースも多く見られます。

この場合も、当然ながら退職金が適正額の範囲内であることが求められます。

保険契約時に設定した保障額や条件は、年月の経過とともに自社の適正退職金額とズレが生じていきます。そのため、「保険金として降りた金額をそのまま全額、死亡退職金として支払う」と、適正額を超えて「不相当に高額」とみなされ、超過部分が損金不算入となるリスクがあります。事前に適正額の範囲を確認した上で支給額を決定することが不可欠です。

トラブル回避のポイント

役員退職金の支給で最も多いトラブルは、適正額の根拠(平均功績倍率や同業他社水準)を客観的に証明できず、税務調査で「不相当に高額」として否認され、多額の追徴課税が発生するケースです。

また、いくら金額が適正であっても、会社法上の正当な手続きである「株主総会での決議」「株主総会議事録の作成・保管」を怠ってしまうと、手続不備を理由に損金算入そのものが認められなくなるという重大な落とし穴もあります。

役員退職金を支給する際は、事前の適正額シミュレーションを行うとともに、株主総会議事録などの証拠書類を確実に整備しておくことが最大のトラブル回避へとつながります。

東京武蔵野会計のサポート内容

東京武蔵野会計は、クラウド会計を通じた日々の財務管理に加え、役員退職金や事業承継に伴う高度な税務シミュレーション・適正化支援に強みを持つ会計事務所です。健全な会社経営と経営者様の安心の退職をサポートいたします。

  • 「平均功績倍率法」を用いた、同業他社水準に基づく役員退職金適正額の精密シミュレーション
  • 株主総会議事録の作成手続サポートおよび「役員退職慰労金規程」の整備アドバイス
  • 役員向け生命保険の契約内容の見直しと、死亡退職金支給時の税務リスクチェック
  • 安心の「書面添付制度」標準採用による、役員退職金の損金算入に係る高い税務信頼性の確保
  • 退職される経営者様の手取り最大化と、会社の資金繰りを両立させる伴走型税務顧問サービス

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