【最低賃金】全国平均1,176円へ!企業がすべき準備と業務改善助成金

こじろー君

むさし先生!2026年度の最低賃金の目安が『1,176円』に決まったってニュースを見たのニャ!時給アップは嬉しいけど、会社はどんな準備をしないといけないのかニャ?

むさし先生

こじろー君、全国平均で55円の引き上げ(4.9%増)となったね!パートやアルバイトだけでなく正社員の賃金バランスや価格転嫁にも影響する大きなテーマだよ。業務改善助成金の活用法や具体的なチェック手順について詳しく解説するね!

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はじめに|2026年度最低賃金改定の概要(1,176円)

厚生労働省の中央最低賃金審議会において、2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金の改定目安が決定されました。

  • 全国加重平均目安:1,176円(昨年の1,121円から55円引き上げ、伸び率4.9%)
  • ランク別引き上げ目安:Aランク54円、BランクおよびCランク56円

物価高騰が続く中、政府も「2030年代前半の早期に全国平均1,500円」を目指す方針を掲げており、最低賃金の上昇トレンドは今後も継続する見通しです。各都道府県の地方審議会を経て、秋口より順次適用開始となるため、企業側は早期の状況把握と準備が求められます。

賃金チェックの実務|対象外手当と月給換算の注意点

まずは自社の従業員の給与が、改定後の地域別最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。

時給制のスタッフだけでなく、月給制の正社員や契約社員についても「1か月平均所定労働時間」で割って時間額を算出し、チェックしなければなりません。

【最低賃金の計算から「除外」する手当】

最低賃金の対象となる賃金を計算する際、以下の手当や給与は含めることができません。

  • 固定残業代・時間外手当・休日手当・深夜手当
  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 賞与(ボーナス)・結婚祝い金などの臨時の給与

これらを除いた「基本給」+「対象となる職務・役職手当等」のみで単価を算出し、最低賃金を上回っているかを厳格に判定します。

助成金の活用|設備投資とセットで使える「業務改善助成金」

最低賃金の引き上げに伴う人件費の負担増を軽減するための有効な支援策が「業務改善助成金」です。

  • 仕組み: 事業場内で最も低い賃金(引き上げ対象者)を指定の金額以上引き上げ、かつ「生産性向上のための設備投資(POSレジ、バックオフィスツール、作業機械等)」を行った場合に、その費用の一部が助成されます。
  • 申請スケジュールの注意点: 地域別最低賃金の発効日の前日までに賃金の引き上げを実施し、設備購入等はその後に行うなど、スケジュールの管理が極めて重要となります。

設備投資によって業務効率化を進めながら人件費を引き上げる、一石二鳥の制度として活用を検討すべきです。

組織の壁|パート・正社員の賃金バランス崩壊リスク

最低賃金改定に伴い、最も低い時給の従業員(パート・アルバイト等)だけを引き上げた場合に発生するのが「社内の賃金バランスの崩壊」です。

  • 最低賃金に合わせてパートの時給を引き上げた結果、勤続年数の長いベテラン社員や若手正社員の時給換算額との差が縮小してしまう。
  • 責任や職務内容に見合わない給与格差となり、社内の不満やモチベーション低下、最悪の場合は離職につながる。

最低賃金改定は単なる最低限の底上げにとどまらず、社内全体の賃金体系や評価制度の見直しとセットで検討する必要があります。

経営への波及|小規模事業者の実態と価格転嫁の必要性

2025年度においても中小企業の45.1%が「最低賃金を下回る従業員がいたため賃金を上げた」と回答しています。特に従業員30人未満の小規模事業者においては、改定後に最賃を下回る割合が約27.7%に達するなど、急激な引上げに対する現場の負担は限界に達しつつあります。

最賃の引き上げは、翌年度以降の正社員の処遇改善(ベースアップ)へも大きく波及します。

人件費の上昇に耐えうる企業体質を作るためには、単なるコスト削減だけでなく、「提供する商品・サービスの価格転嫁(値上げ)」と「IT・設備投資による生産性の向上」をセットで推進することが不可欠です。

トラブル回避のポイント

最低賃金改定における最大のトラブルは、「基本給に通勤手当や固定残業代を含めて計算してしまっていたため、知らぬ間に最低賃金法違反(労働基準監督署からの是正勧告・罰則)に該当していた」というケースです。

また、「業務改善助成金を活用しようとしたが、賃金引き上げの手順や設備購入のタイミングを間違えて助成金が不支給となった」という失敗も多発しています。

特に、人件費率が高い不動産管理・建設現場や、医療・介護施設等においては、事前に全従業員の時給換算を完了させ、改定日までに賃金規程・給与計算システムの改定と助成金申請スケジュールを確定させておくことが最大のトラブル回避へとつながります。

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