
むさし先生!会社の株を跡継ぎに譲るとき、税金がゼロになる特例があるって聞いたのニャ!でも、もうすぐ期限が来ちゃうって本当かニャ?手遅れになる前に何を準備すればいいのか教えてほしいニャ!

本当だよ。『法人版事業承継税制の特例措置』は税負担が実質ゼロになる画期的な制度だけど、計画の提出期限が迫っているんだ。役員就任要件の緩和やM&Aとの比較も含めてポイントを解説するね!
コラムメニュー
はじめに|税金がゼロになる特例措置の概要
自社の業績が好調で株価が高い場合、後継者へ株式を贈与・相続する際に数千万円から数億円規模の贈与税や相続税が発生することがあります。会社に資金があっても後継者個人に納税資金がなければ、最悪の場合、株式を手放さざるを得ず「黒字なのに承継で会社が揺らぐ」という事態に直面します。
この課題を解決するために創設されたのが「法人版事業承継税制(特例措置)」です。 本制度を活用すれば、自社株に係る贈与税・相続税の全額(100%)が納税猶予され、後継者が代表者を継続し株式を保有し続けるといった要件を満たす限り、最終的に税金が全額免除されます。後継者は最大3名まで指定可能です。
また、従来の一般措置では「5年間の平均で雇用の8割維持」が厳格に求められ、下回ると猶予が取り消されていましたが、特例措置では8割を下回った場合でも都道府県に理由を報告することで猶予が継続される救済の仕組みが備わっています。
2段階の期限|特例承継計画の提出がカギ
本制度は適用にあたって明確な期限が設けられた時限措置です。期限は以下の2段階となっています。
- 特例承継計画の提出期限:令和9年(2027年)9月30日まで
- 贈与・相続の実行期限:令和9年(2027年)12月31日まで
特に重要なのは「特例承継計画」の提出です。令和9年9月30日までに認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けた計画書を都道府県に提出して確認を受けておくことが、特例を活用するための必須条件となります。計画さえ期限内に提出しておけば、実際の贈与等の実行に向けた選択肢を保持することができます。
最新の改正|役員就任要件が直前でOKに
特例措置の活用を後押しするため、法改正による要件緩和が行われています。
従来、後継者が本制度を利用するためには「贈与の直前までに3年以上継続して役員であること」が求められていました。しかし、改正により「贈与の直前において役員等であること」へと条件が緩和されました。これにより、事業承継の直前になって急遽後継者が決まったケースや、親族外の社員を直前に役員へ昇格させて事業を引き継ぐケースなどでも制度を活用しやすくなっています。。
デメリット|5年間の報告義務と株式売却リスク
納税額がゼロになるという絶大なメリットがある一方で、特例措置には以下のような留意点や制約(デメリット)も存在します。
承継後5年間の継続報告: 承継後5年間は、毎年都道府県や税務署へ継続届出書等の報告を行う義務があります。
一括徴収のリスク: 代表者の退任や対象株式の売却など、定められた要件を外れた場合には、猶予されていた税額に加えて利子税が一括して徴収されます。
経営の自由度の制約: 株式を売却すると猶予が取り消されるため、承継後に柔軟な組織再編やM&A、自社株の譲渡を行う際の制約となる場合があります。
M&Aとの比較|第三者承継という選択肢
適任な後継者が不在である場合や、自社株の評価額が高すぎて親族内承継が難しい局面では、第三者へ会社を売却する「M&A」も有効な選択肢となります。
| 比較項目 | 事業承継税制(特例措置) | M&A(第三者売却) |
| 前提 | 親族や社内後継者へ会社を継がせる | 外部の企業・第三者へ会社を売却する |
| 手元資金 | 株式を贈与するためオーナーに現金は入らない | 売却対価としてオーナーが創業者利益(現金)を得る |
| 税金 | 贈与税・相続税が全額猶予・免除 | 株式譲渡所得割(約20%)の課税 |
| 経営の自由度 | 株式保有や経営継続の要件が残る | 売却後は引退してリタイア可能 |
事業承継税制はあくまで「身内で会社を守り続ける」ための制度です。自社の後継者有無や株価水準、将来のビジョンに応じて、特例措置とM&Aのどちらが最適かを見極めることが重要です。
トラブル回避のポイント
事業承継税制の特例措置は、税額が全額猶予される強力な制度である反面、5年間の報告漏れや株式のうっかり譲渡によって「猶予取り消し+利子税の発生」という重大な財務トラブルを招く危険性を孕んでいます。
また、期限間際になってから「特例承継計画」を作成しようとしても、自社株の評価試算や支援機関との協議に時間がかかり、令和9年9月30日の申請期限に間に合わないという失敗例が懸念されます。事業承継の準備は、着手が早いほど選べる選択肢(親族承継、社員承継、M&Aなど)が広がります。まずは自社の株価評価を正確に行い、最適な承継ルートを税理士などの専門家とともにシミュレーションしておくことが確実なトラブル回避へとつながります。
東京武蔵野会計のサポート内容
東京武蔵野会計は、クラウド会計を活用した財務の見える化だけでなく、中小企業の持続可能な経営を引き継ぐ「事業承継・資産税」に高度な専門性を持つ会計事務所です。後継者問題や株価対策でお悩みのオーナー経営者様をトータルでサポートいたします。
- 最新の税法に基づいた自社株評価の精密なシミュレーションおよび最適な承継手法の提案
- 認定経営革新等支援機関としての「特例承継計画」の策定指導および都道府県への申請手続支援
- 特例措置適用後の5年間にわたる年次報告・継続届出書の厳格な作成・提出管理サポート
- 親族内承継(事業承継税制)と第三者承継(M&A)の多角的な比較シミュレーションの作成
- 安心の「書面添付制度」標準採用による、自社株評価および相続・贈与税申告の税務信頼性の確保
お問い合わせ・無料相談のご案内
自社株の相続税・贈与税対策や、令和9年9月30日締切の「特例承継計画」の提出準備、M&Aを含めた事業承継の選択肢について相談したい経営者様は、お気軽にご連絡ください。初回無料相談を実施しています。
- 電話:042-405-3913
- お問い合わせ、無料相談はこちら
東京武蔵野会計は、お客様の会社の未来と安心の事業承継を力強くサポートします。
