
むさし先生!海外赴任する役員さんの子どもさんの学費って年間何百万円もかかることがあるのニャ!会社が学費を1年分まとめて払うと『定期同額給与にならないから経費(損金)に落とせない』って本当かニャ?

こじろー君、一見すると一括払いは『毎月同額』に見えないから損金にならないと思うよね。でも、国税庁の質疑応答事例では『定期同額給与に該当する』とされているんだ!なぜ認められるのか、注意点も含めて解説するね!
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はじめに|海外赴任に伴う子女教育手当
海外に駐在員事務所や支店、工場などを展開する企業では、現地へ赴任する役員や従業員に対してさまざまな手当を支給するのが一般的です。
特に家族を伴って赴任する場合、帯同する子ども(子女)の教育費(入学金、授業料、スクールバス代、施設維持費)や学校への寄附金を会社が負担する「子女教育手当」を設けるケースが多く見られます。
現地の学校選択肢としては「現地校」「日本人学校」「インターナショナルスクール」などがあり、費用は子ども1人あたり年間50万円から400万円程度と幅が広いため、社内規定で上限額を設定して運用することが一般的です。
定期同額給与|毎月同額が原則のルール
法人税法上、役員に支払う給与を会社の経費(損金)として認めるための基本的なルールのひとつが「定期同額給与」です。
定期同額給与と認められるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
- 定期性:支給時期が「1か月以下の一定の期間ごと」であること。
- 同額性:その事業年度の各支給時期における支給額が「同額」であること。
原則として、1年分の費用をドカンと一括で支払うような支給形態は「定期性・同額性」を満たさず、役員賞与(損金不認容)とみなされるのが一般的な税務のルールです。
国税庁の判断|学費一括払いも定期同額給与に「該当」
では、会社が役員の子どもが通う学校の1年分の授業料を一括で学校へ直接支払った場合、この費用は定期同額給与になるのでしょうか。
一見すると一括払いは「毎月同額」に該当しないように思えますが、国税庁ホームページの質疑応答事例によると、驚くことに「定期同額給与に該当する」という判断が示されています。
(※なお、この判断は、所得税法上で役員本人に対する「現物給与」として適切に給与課税(源泉徴収)が行われていることが前提となります。)
判定の理由|継続的な経済的利益とみなす
なぜ、一括払いであるにもかかわらず「定期同額給与」として認められるのでしょうか。
国税庁の質疑応答事例では、判断の理由を以下のように説明しています。
- 判定の基準:費用を支払った形態や購入形態によって判定するのではなく、役員へもたらされる「経済的利益の実質」で判定する。
- 実質的な効果:授業料は、在学契約に基づいて役員の子どもが「教育サービス」という対価を継続的に受けるものである。そのため、会社が費用を一括負担したとしても、役員に対しては「毎月おおむね一定の給与」を支給しているのと同等の経済効果が継続的にもたらされているとみなされる。
つまり、「費用の払い方は一括であっても、役員が受けている利益は毎月均等に発生している」と解釈されるため、定期同額給与として損金算入が認められるのです。
トラブル回避のポイント
学費の一括払いが法人税法上で「定期同額給与」として認められるとはいえ、事前の準備や税務処理を誤ると大きな税務トラブルにつながります。
最も多いトラブルは、「所得税上の現物給与課税(源泉徴収)を忘れてしまうこと」です。国税庁の認容例は「役員個人の給与所得として正しく課税されていること」が前提となっています。会社が学費を負担した分を給与認定し、源泉所得税を徴収していないと、税務調査で源泉所得税の追徴課税を受けるリスクがあります。
また、特定の役員だけに恣意的に支給していると「給与」ではなく非課税にならない「経済的利益の供与(役員賞与)」と判断されるおそれがあります。あらかじめ就業規則や「海外勤務手当規定」を整備し、全社的なルールとして客観的に運用しておくことが確実なトラブル回避へとつながります。
東京武蔵野会計のサポート内容
東京武蔵野会計は、クラウド会計を活用した日常的な経理の効率化に加え、海外進出企業や役員報酬・現物給与の適正な税務処理に強みを持つ会計事務所です。税務調査で指摘を受けない健全な役員給与設計をサポートいたします。
- 海外赴任等に伴う「子女教育手当」や役員現物給与の適正な源泉所得税チェック・計算支援
- 法人税法上の「定期同額給与」要件を満たすための社内規程(海外勤務手当規定等)の策定アドバイス
- 国税庁質疑応答事例や最新通達を踏まえた、役員報酬・経済的利益の損金性シミュレーション
- 安心の「書面添付制度」標準採用による、役員給与・源泉所得税申告における高い税務信頼性の確保
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